星粒の

 甘く、ふんわりと広がって、それは間もなく消えうせる。

 その感覚は、天から剥がれ落ち、地を打って、次の瞬間には地面を覆う水の膜と同化する、雨粒に似ている。

 「雨の代わりに、コンペイトウが降れば良いのに」

 水色をした小さな粒をつまんで、蓮は空を見上げた。

 傘が傾いで、顔に雫が落ちる。

 平衡感覚が狂うのに、瞬きして、すぐに視線を戻した。

 「いいね」

「だよね。小さな星みたいな砂糖菓子が降ってくるなんて、夢があって」

 自分で言った言葉が可笑しかったのか、くすくすと笑う。

 そして、何か思いついたように、笑顔を要に向けた。

「カナメ、"お社さま"、寄っていこう」
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