星粒の
「で、成果は如何に」

 数段、濡れた石の階段を上ると、二人の目の前には小さな社があった。

 その横に、水の張られた、石を刳り貫いて作られた器があり、そこに柄杓が置かれている。

 岩に水をかけるために置かれているのか、それとも最初は別の目的があったのか。

 なにはともあれ、都合が良い。

「五分五分、ってところかな。三教科赤点あったらしくって、二教科は持ち直したけど、どうしても国語が駄目だって」

「明日は我が身、な気がする」

 腰を屈めて柄杓を手にとる。
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