星粒の
「そんな、成績悪くないだろう」

「うーん……」

 歯切れの悪い返事を返し、蓮は話題を変えた。

「……もう雨でぬれてるけど、効果あるかな」

 ここ数日降り続ける雨で、すでに岩はしっとりと湿っている。

 苔はその細かな葉の合間に水滴を溜め込み、地肌の見えている部分は濃い灰色にてかっていた。

「やってみたら、」

 言われるまでもなく、蓮は"お願い"をはじめた。

「雨が、コンペイトウに変わりますように」

 その言葉を聞いて、要はくすりと小さく笑う。

 ほんの短い時間手を合わせて念じ、蓮はぱっと顔を上げた。

「さ、用事も済んだし、早く帰ろう。このままじゃ風邪引いちゃう」
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