星粒の

 言った先から小さなくしゃみをして、踵を返す。

 二人で並んで歩きながら、「願い事叶うかね」、なんて笑いあった。


 パラ.....

 それは雨音に似ていたが、それまでとは傘を叩く感触が違った。

 二人は顔を見合わせた。

「え」

 思わず傘をおろす。

 空を見上げて、薄く開いた口の中に…


「―――― え?」


 それは確かに、小さな、星粒の味。




fin.
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