【完】ぎゅっとしててね?
解散したあと、俺はなんとなく芙祐ちゃんに声をかけた。


「ねぇ」


「はい?」


口角をあげたまま、俺を見上げる大きな目。


「あ……」


なんでもいいから。
いつものように適当に声かけちゃえばいいのに。



「?」



芙祐ちゃんは俺の言葉を待ってるけど。



「……いや、なんでもない」



って逃げるように去ったのは……俺?


って、なんで逃げた?



< 124 / 449 >

この作品をシェア

pagetop