【完】ぎゅっとしててね?
ピーってホイッスルが鳴った。
女子集合だ。


「ヤヨばいびー」


ボールを両手で抱きしめて、女子のコート側に一歩進んだら。



「……芙祐!」



ぐいん。
ヤヨがあたしを引き寄せた。


たちまちあたし、ヤヨの腕の中。



硬い胸板。
大きいカラダ。




……すごい、大発見。
包まれ感はなまる。
ちょうどピッタリサイズ。




大発見の最中。
どんって、ボールが当たった。
あたしじゃないよ。
ヤヨの体に。



「……いって」



胸から伝わるヤヨの声。


ヤヨはパってあたしを離す。




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