【完】ぎゅっとしててね?
「そいえば慶太くん合コン行ったんだって?」


一瞬、時が止まった。
なんで知ってんの。



「まぁ……うん、無理やりだよ?数合わせで」



って本当に数合わせで無理やり連れてかれたのに、しどろもどろになった。
動揺した。



「ちゃらーい」



「いや、本当だから」



「あはは。うんうん。でも出会い欲しいもんね」



ニコニコしながらそんなこと言うってことは、まだ俺が本気で芙祐ちゃんのこと好きだって、わかってない。


「俺は……」


あーあ、態度で示すって言ったのに。



合コンなんか言ってたら一発アウトだろ。
激しく後悔……。誰だよ言ったの。



「今度はあたしも連れてってね」


「えー?嫌だ」


「ひどーい。仲間外れしないでよ」


「でも俺がいない合コン行かれる方が嫌かも。変なとこ行くくらいなら連れて行くわ」


「保護者みたい」


けらけら笑ってる。ふわり長い髪の毛が風に揺れる。
可愛い。楽しそうに笑う芙祐ちゃんのこと見てると



「……好きだなぁ」



って心底思う。




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