【完】ぎゅっとしててね?
ヤヨが目の前で、狼に…。ワンコから狼にレベルアップ。



「そういうの、間違っても桜木慶太にするなよ」




そういって、あたしを解放した。




ど。
どきどき。
どきどきどきどきいってるんですけど。



ヤヨちゃん、もしかして実はドSだよね?
前から気づいてはいたけども。



「ヤヨちゃん、今のカッコよかったよ」


「…はぁ?」


「Sっぽくて、いいかんじ?」



「…うざ。はー。このクソ女」



「そんな言葉どこで覚えてくるのー」



ヤヨの口元ばってんしたら、ぺしって手をはねのけられた。



「はーーーー……」



ってヤヨのながーいため息。



「まーた幸せ逃げたよ?」


「芙祐が逃がしたんだろ。責任とれ」


「ヤヨちゃんの幸せ戻ってこーい」




頭なでなでしたら、また怒られた。



でもね、
ちゃーんと最後には
「ほんとにお前は…」って、呆れながらも、楽しそうに笑うんだよ。ヤヨは。



ヤヨといると楽しいよ。



やっぱり、恋愛のいざこざ、好きだの嫌いだの、麻里奈ちゃんだの。
そんなのぜーんぶ忘れてたほうが。


たぶんあたしたち、楽しいんだと思う。




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