【完】ぎゅっとしててね?
「……友達として、うん」
「恋愛とか、そういうのしたら、楽しくないと思うんだ。ヤヨのこと大好きだけど、恋にしたらダメなの」
「あー……そ」
なんでいきなり、俺フラれてんだよ。
わかってたよ。友達として好きだとか。
そんなことくらい。
もし告っても、"本気の恋"として付き合ってもらえるとも思ってない。
お前のことなんかわかってる。
だからずっと
芙祐への気持ち、ごまかしてきたんだから。
「ねー、慶太くん……」
……”慶太くん”?
掴まれてた腕を振り払い、芙祐の目の前でパンっと1回、手を叩いた。
「ふざけんな。お前俺と桜木慶太まちがえてんだろ」
「えー?うん。なんか眠い……」
「寝、た……。信じらんねぇ……」