【完】ぎゅっとしててね?



「……友達として、うん」


「恋愛とか、そういうのしたら、楽しくないと思うんだ。ヤヨのこと大好きだけど、恋にしたらダメなの」


「あー……そ」



なんでいきなり、俺フラれてんだよ。


わかってたよ。友達として好きだとか。
そんなことくらい。



もし告っても、"本気の恋"として付き合ってもらえるとも思ってない。
お前のことなんかわかってる。


だからずっと
芙祐への気持ち、ごまかしてきたんだから。



「ねー、慶太くん……」



……”慶太くん”?




掴まれてた腕を振り払い、芙祐の目の前でパンっと1回、手を叩いた。




「ふざけんな。お前俺と桜木慶太まちがえてんだろ」



「えー?うん。なんか眠い……」


「寝、た……。信じらんねぇ……」




< 184 / 449 >

この作品をシェア

pagetop