【完】ぎゅっとしててね?







6限の最後の20分てすっごく長く感じない?


……眠いなぁ。


ティッシュボックスを枕にして、ふわふわもこもこ気持ちいいひざ掛けを肩から掛けて。

おやすみ、地球の皆様。



……。



「…わぁっ!」



「おはよー、芙祐ちゃん」


目を開けたら、目の前に慶太くんがいた。
それも至近距離で机に伏せてるんだもん。


びっくりして椅子からおちそうになったよね。




「えっ?あれ?今…何時??」



「もう放課後だよ。弥生くんが起こしてたけど起きなかったんだよ」



「慶太くんは?いつからいたの?」


「30分前くらいかな?」



「ごめん。叩き起こしてくれていいのに」



「起こしたらかわいそうじゃん。気持ちよく寝てるのにさ」




優しいなぁ、慶太くん。


……って。


はっとして顔を覆った。


「変な顔してたでしょ」



「めちゃくちゃ可愛かったよ」



そう言いながら、あたしの長い髪の毛先をすくう。



照れ隠し、しながら「うそつき」って言ったら。



ははっと笑われた。
……くやしい。


気をつけよう。今度から寝るときはひざ掛けを頭からかぶろう。



「枕に布団まで準備して、そんなに堂々と寝て怒られないの?」



「意外と古典の先生はゆるいんだよ。慶太くんは居眠りしないの?」



「するよ。この前寝言いって笑われた声で起きたなぁ」



「あはは、寝言いうんだ。いいなぁ、慶太くんの寝顔あたしも見たい」



「やだよ」



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