【完】ぎゅっとしててね?
「あー……っと、何から言えばいいんだろ……」


「いいよ。やっぱり知りたくないから」


浮気のトラウマなんかいらない。
もう十分。



「別れよ。他にいるなら……別にあたしなんかいらないじゃん」


涙、枯れろ。

かっこよく、びんたしてバイバイしてやるんだから。



「だからそうじゃないんだって。さっきの子はアメリカの時の友達でさ」


「……!アメリカンサイズ?!もうやだ。だいっきらい」



やばい、混乱してきた。



「ちょっと聞けって」


慶太くんに両手を抑えられ、涙でぐちゃぐちゃなあたしはやっと慶太くんの顔を見た。


すっごく困ってる。



「アメリカの友達で。さっきまで俺の親戚が経営してるバーで家族ぐるみで飯食ってただけだから」


「家族ぐるみで……。本当にあたし、いらないじゃん」



両手から力が抜けた。



「なんであたしに告白したの?」



遊び?




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