【完】ぎゅっとしててね?
「やっと見つけた……。今日昼休み会議だろ」


わぉ、噂をすれば、ヤヨだ。
裏庭の入口に立って、げんなりしてる。



「……カイギ?」



そう言えば、各クラス委員が集まる会議が今日あるって先生が言ってたっけ。
あちゃー。



「もう終わったよ」


「ゴメンナサイ」


「いいけど。連れてかなかった俺が甘かった」


「そうだと思う」


「あ?」


「ふふ。嘘。ゴメン」



あ。呆れてる。



「なんの話だったの?それってメモ?」



ヤヨの持ってるメモを見に、裏庭の入り口を目指す。



ぬかるんだ地面、歩きにくい。



「コケるぞ」


ってヤヨもこっちにきてくれた。


大丈夫だよ、運動神経いい方だし。


……でもね、過信ってよくないね。



「あぶな……っ」



ヤヨの短い声。


ぬかるみに足を取られたあたしの手、引っ張ってくれたヤヨ。



だけど。しかし。
時、既に遅し。



お尻と手にぐちゃっという感触がした。



「いったー」


「……まじかよ」



ぬかるみに見事転んだヤヨとあたし。
仲良く手を繋いだまま、泥だらけの制服。




「ちょっと2人……大丈夫?あははっ」



藍ちゃんがお腹を抱えて大笑いしてる。
ひとでなしー。




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