【完】ぎゅっとしててね?
えーっと、一番気の利いた自販機は……確か2階。
ついでに職員室によって保健の先生を呼んで来よう。




風邪にはボカリ。人の常識。
ボカリを手にいれてから、職員室に向かう。



「失礼しまーす。保健の先生いませんか?」




職員室で誰かと談笑してる先生を発見。
先生それってサボり?




先生にヤヨのこと伝えると「すぐ行くね」っていうわりにのんびりしてるような。




まぁいっか。
先に行ってボカリ届けるね。



ヤヨもう寝ちゃったかな?




保健室について、「ヤヨー」って声かけ。
返事なし。
寝ちゃったか。




「……しつれーしまーす」




カーテンをそっとあけると、赤いほっぺをしたヤヨが目を閉じて、グッスリ。




……相変わらず可愛い寝顔。
でも、スマホに保存されている、海で撮った寝顔とはちがうね。すっごいしんどそう。



額に手を当てて見たけど、さっきより熱い気がするもん。



ハンカチを濡らして額の上に置いておこう。
うん、なんか原始的。
良くなれ〜って念力も送っとくね。一応。




枕元に、ボカリを置いて、立ち去ろうとしたその時。




< 283 / 449 >

この作品をシェア

pagetop