【完】ぎゅっとしててね?
頭がぼーっとする。
夢でも現実でもなんでもいいや、もう。



"芙祐と慶太くん、未遂だって"



最悪。嫌なこと思い出した。



"『ヤヨのせいかも』って言ってたよ"



そうやって、期待させるようなことを。
言ったのは…藍か。
芙祐は…。


やばい。熱、絶対あがった。
ぐらぐらしてきた。


「あー、だりぃ……」


「大丈夫?熱上がってきたかな?」



芙祐の手が額にのった。
冷たくて気持ちいい。



「何かしてほしいことある?」



大きな目が俺を見つめる。多分現実?夢?頭痛い。



してほしいことって、

この熱下げて。悪魔の使い…。


そうじゃないなら




「……俺の女になって」




あー、これ。多分夢だ。




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