【完】ぎゅっとしててね?
…………。

……。



真っ暗な部屋。
テレビの光と音が混ざる。


体じゅう。
痺れるほど、いろんな刺激の中。



「好きだよ」


慶太くんのその声に、思わず目が潤んじゃったけど。



「あたしも……大好き」



そう言うあたしをぎゅっと抱きしめてくれた。


慶太くんは最後まで優しかった。





――――土屋芙祐、17歳のクリスマスイブ。

大好きな彼に初めてを捧げました。




…………。


……。





ベッドの中で手をつなぐ。
恥ずかしくて顔合わせられない……。



「大丈夫?痛くない?」


髪を撫でられた。



「だいじょう……あんまりこっち見ないでよ」


「芙祐ちゃんめちゃくちゃ可愛かったよ」



「……ばか」




恥ずかしいけど、ぎゅーって抱きしめた。



「慶太くん大好き。だーいすき」



ははっと笑う、嬉しそう、慶太くん。




そんな彼の柔らかい唇に
そっとキスをした。



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