【完】ぎゅっとしててね?
服を着て、電気をつけて。
なんでだろ。さっきより恥ずかしい……。



「芙祐ちゃん。こっちおいで」



手招きされて、
慶太くんのすぐ隣に座った。


ドッコンドッコン心臓うるさい。
どうしよう、あたしの寿命が削れていく気がする。まずい。



この場から離れよう。そうしよう。



「ケーキ、せっかくだし、少し食べない?持ってくるね」



脱走に成功。


慶太くん、くすくす笑ってたなぁ……。

一階、冷蔵庫の前で深呼吸。




落ち着け、あたし。



部屋に戻って、もう一回深呼吸。


「ケーキ、このくらいなら食べれる?」


「うん、ありがと」


ケーキをつつきながら、テレビを見ること30分。
やっと平常心、戻ってきたかも。



「そうだ。さっきツリーの前で撮った写真見せてよ」


って慶太くんに言われて、スマホを取り出した。


ツリーの前で、仲良くツーショ。
慶太くん、かっこい。
さっきよりかっこよく見えるのは、きっと色気大魔神に腰砕かれたから。



スマホの写真を一緒に眺めてたら、家の電話が鳴った。



「あ、この電話絶対パパだ。家にいるかの確認なんだよね。ちょっとごめん、写真見てて」



電話にでたらやっぱりパパ。
ちゃんと帰ってたか。何してる?って心配性。

「テレビ見てるよ」って答えとく。
嘘はついてないよね。



部屋に戻ったら慶太くんが固まってた。





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