【完】ぎゅっとしててね?
ダイスキだもん。
ちっとも離れたくなんかない。



慶太くんはあたしの隣に腰を下ろした。
もう一回、手を繋ごうとしたから。



「やだ」



って、意地悪。してみたりして。
ポイってされた恨みだよ。
手なんか繋がない。



「え?」


って慶太くんが戸惑った少し後。



立膝になって、慶太くんの方を向く。


慶太くんの肩に、さっきポイってされた片手を置いて。



「……だいすき」



慶太くんの唇にキスをした。




「はは……っ」



慶太くん、笑ってごまかしてるけど顔赤いよ。


ん?違う。
呆れ笑い?



そしたら、あたしの耳元に口を近づけた。



「家だったら押し倒してる」



……響いた、低い声。



「……色気大魔神」



まんまと赤面して俯いたのはあたし。





こうやって。




……心も体も全部。
慶太くんだけになればいい。






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