【完】ぎゅっとしててね?
玄関前の廊下だってことも、すっかり忘れてた。


ついうっかり
慶太くんのキスに夢中になってたら。



「お……お前ら……。何やってんだ!授業中だろ!」



先生にバレちゃった。



しかも頭髪検査の先生。
体育の一番怖い先生。



がみがみ、お説教。



すみません、その通りです。
ふしだらでした。
すみません。



キーンコーンカーンコーン……



救いの鐘が、あたしたちを助けてくれた。



教室、行かなきゃ。
慶太くんと廊下を歩き始めた。




「キスくらいであんなに言う?」


「まぁサボってたのがまずかったんでしょ。芙祐ちゃん大丈夫?」


「怒られ慣れてるもん、大丈夫だよ」


「だと思うけど」




あたしを見つめる優しい目。
一目で好きでいてくれてるのが伝わるその表情。



あたしは慶太くんを幸せにするんだもん。




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