【完】ぎゅっとしててね?
彼女の計算
SIDE 芙祐
***
あの告白から数週間がたって、もう1月も終わる。
ヤヨとは結局、ほとんど元通り。
好きとか言われた手前、変なノリはもうやめたし、むやみに絡まないけど。
泣いちゃったからなぁ。
ちょっと恥ずかしいよね。
でもそのおかげかな、ヤヨはあたしのこと避けないみたい。
「芙祐と藍~、今日の放課後って暇だよねぇ」
隣のクラスからはるばるいらっしゃい、リコちゃん。
当たり前みたいに暇認定するのやめてね。
「ひま。遊ぼ」
でも、あたし即答。
だって、今日は委員の仕事もないし、慶太くんも用事らしいから。
「よかったぁ~。カラオケ行きたい」
カラオケって、ちょうど今行きたかったところだよね。
頭の中一掃したいの。爆音で。
放課後、藍とリコとカラオケに向かった。
学校からわりとちかいよ。
ヤヨの家を通り過ぎたところ。
ドリンクバーでオレンジジュースをたぷたぷに入れて、
カラオケルームで絶妙な音量調節を済ませる。あたしの係。