【完】ぎゅっとしててね?
忘れよう。キスなんか。
だいたいあたしに怒る権利なんか無いじゃん。


あたしには彼氏がいて。
ちゃんと振って。
もう終わったから、ヤヨは麻里奈ちゃんと付き合う。


ヤヨ、何にも悪くない。



……なんであたし怒ってたんだろ。



あたしにしてきたキスなんか、忘れればいいだけ。
あんなのはタダの接触事故。



教室について、すぐにヤヨに謝った。




「さっきはごめん。今度から自分で勉強しようと思ったの」



「……ふーん」



何その疑いの目は。



「芙祐さ、どう考えても朝から態度おかしいから。何かあるならいえばいいだろ」



鋭い目つき。
つきささる。




「……せっかく慶太くんで充電してきたのに」



なんでそんな目つきで、あたしを睨むの。



「俺がなんかした?」



……何もしてないよ。


別の子と……元カノとキスしてるの勝手にみちゃっただけ。


それを思い出すと、お腹の奥から……。


ほら。また。
頭でどんなにかき消しても。




「……もやもやするんだもん」



助けて。





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