【完】ぎゅっとしててね?
「正直あたし……ヤヨの一挙一動にイチイチどきどきしてる」


「へぇ」


なんなの、ヤヨ。
知ってますよ、みたいな顔しちゃって。



「困るの。あたしは慶太くんだけ好きでいたいし、他の人なんかいらないの。……だから」



ヤヨから目、そらしちゃダメ。
体、こわばる。




「好きになるの……やめてください」




緊張、罪悪感。両方。
声が震えた。


ヤヨはあたしから視線を逸らすこともなく、表情も変えない。



「無理だな。それは」



って、さらりと言いかえしてきたけど。


ぴくり、眉を動かしちゃった。あたし。



「好きって言うなら、前にヤヨが言った通りもう話さない。この前は泣いてごめん。もう覚悟できたから」



ヤヨは溜息をひとつだけついて。




「委員は?」


って問う。



「最低限は仕方ないと思うけど……」



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