【完】ぎゅっとしててね?
両手をつかまれ、組み敷かれた芙祐ちゃん。


二人の重さでスプリングが軋む。



芙祐ちゃんはまっすぐ俺を見つめた。



その目は、


そらしたくなるほど正直だった。





「……やめよっか」



「え?」



小さな声。戸惑ってる。
乱れた服、直すことも忘れてるでしょ。




「お茶持ってくるから。服直しといて」



部屋を出ずにはいられなかった。





俺、前までは女の子と遊びまわってきたし。
女心は理解してるほうだと思う。







芙祐ちゃんは、

俺のことなんか
もうほとんど見てない。






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