【完】ぎゅっとしててね?
「ヤヨ。どーしたの?」


「テスト大丈夫なのかよ」


「大丈夫。昨日も勉強したんだよ」


「そこまでするほどアイツと遊びたいわけか」



ヤヨは呆れて溜息をつくけど。



「傘を返すのと、そのお礼だよ」



お礼は近所のカフェのだした新作スイーツを一緒に食べようって言われたんだもん。




「……傘なんか借りるんじゃなかった」



ヤヨ、独り言?
そのまま席に戻っちゃった。
へんなひと。



そうこうしてたら、もう時間。
玄関で慶太くんが待っててくれるらしいから。


スクールバックに化粧ポーチをいれて。

一番前の席の藍に小声で「ばいびー」。



「芙祐ばいばい。気をつけてね」


って藍ちゃん優しいんだから。


「ありがとー。いってきます」


藍頑張ってるから、机の端っこに飴ちゃん置いとくね。



ヤヨにもばいびーしたのに。
勉強に夢中なの?フルシカト。


挨拶を無視するほど数学が好きなんて、数学マニアは怖いよね。




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