不器用な恋
第2章
友達
私は朝からぼーっとしている。
なぜか。
それは、慎君に好きだと言われたからだ。
彼は今はまだ返事はいいと
考える時間も必要だからといってくれた。
好きってなに?
もうわけわかんない。
この何ヶ月で色々ありすぎて。
「瑠樹、ちょっといい?」
「……杏里?」
杏里の後ろをついていく。
着いた場所は屋上。
「私ね、慎君が好き。……でもね、それ以上に瑠樹がすきなの。この前の放課後。私トイレから帰った時聞いちゃったの
慎君が瑠樹に告白してるとこ。
瑠樹。
瑠樹は慎君のこと
すき?」
ねぇ、杏里。
どうして杏里はそんなにも優しいの。
好きって気持ちがどんなものか知らないけど
辛かったよね。
自分の好きな人が
私なんかに告白してるとこを見ちゃったんだもん。
つらいよね。
「私ね……。親からも親戚からも愛されたことがないの。
いらない子として、育ってきた。
……だからね、愛ってなんなのか
好きってなんなのかわかんないの。
でも、私杏里にあって変わった。
……温もりをしった。友達を失いたくないって思うようになれた。
今はまだ、慎君に対する気持ちが
好きかどうかわかんないの……」