不器用な恋
モデルな彼等
放課後。
私は写真部の部室の前にいる。
遡ること1時間前。
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「山田瑠樹さんですか?」
と、廊下を歩いているといきなり声がかけられた。
「はい……?」
「私は3年の秋元莉央です。お願いがあるの」
そう言うと、私の腕を引っ張って隅っこの方につれていかれる。
「あの……」
「私ね、写真部なの。私達、最後だからもしよかったらね、モデルになって欲しいの」
そう頭を下げられた。
「あの、でも私……
モデルになれるかどうか……」
断るつもりだ。
もちろん、目立ちたくもないし
写真に収まる気もない。
「大丈夫!山田さん美人だからそこは問題ないの!お願い!」
断るつもりだ。
いや、断るつもりだった。
だけど、先輩に頭を下げられてるから
「わ、私でよければ……」
なんて言ってしまったのだ。
先輩はにこってして
「放課後部室で待ってる」
そう言い残し、去っていった。
笑えもしない、私なんかでいいのか。
不安がよぎる。
でも、一度承諾してしまったのだから
行くしかない。
そう思い今に至る。
コンコン
「2年の山田で、す」
そういい扉を開けると
そこにはさっきの先輩とあと、三人見知らぬ顔がいた。