強引なカレの甘い束縛


輝さん目当てで来る女性客はかなり多く、輝さん自身もそれに気づいているはずなのに、さらりとかわし、店長と客という立場を崩そうとしない。

同性の私から見てもかなり綺麗で魅力的な女性から好意を示されてもそれは変わらず、もしや輝さんは女性に興味がないのかもしれないと思っていた。

けれど、今の話を聞けば、いよいよ輝さんにも『ふみかさん』という大切な女性が現れたようだ。

砂川さんのからかいぶりから考えれば、輝さんは彼女をかなり大切にしているようだし、何を言われても動じない態度からは『ふみかさん』を必ず手に入れるという静かな熱が感じられた。

本当にその人のことが好きに違いない。

毎日彼女に夕食を作っていると聞いたけれど、今度偶然のふりをして見に来ようかな。

輝さんの新しい面を知った気がして、わくわくしていると。

「じゃ、OLさん向けでもあり、ふみかのために用意した新作を試食してもらおうかな」

相変わらず穏やかな口調で、輝さんが私に声をかけた。

さすがに今度は砂川さんは何も言わず、へへっと笑っていた。




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