強引なカレの甘い束縛



「史郁さん、すごく綺麗な人だったね」

「砂川さんも気に入ってるみたいだし、近いうちに結婚するんじゃないのか?」

「だね。輝さんがすでにロックオンしてるし、史郁さんは逃げられないよ」

「輝さん目当てで『マカロン』に来てる女性客たち、ショックだろうな」

「輝さん、格好いいもんね。わかるわかる」

駅までの道のりを陽太と並んで歩きながら、さっき目にした輝さんのたくましい腕を思いだす。

きっと硬いに違いない色気のある筋肉に、目が奪われた。

あの腕で史郁さんの頭をぐりぐりと撫でていたけれど、美男美女でお似合いだった。

砂川さんが「早く史郁ちゃんをものにすればいいのに」ってぶつぶつ言っていたけれど、ということは、ふたりはまだ付き合っているわけではないってことだろうか。

「輝さんって、あれだけ見た目がいいのに意外とヘタレなのかな。史郁さんだって輝さんが好きだって、簡単にわかるのに」

たまたま『マカロン』の近くに仕事で来たから寄ってもいいですかと電話がかかって来た時のあのとろけたような輝さんの顔。

そしてしばらくしてお店にやってきた史郁さんは、想像以上に綺麗な女性だった。

ひとり暮らしで仕事が忙しい彼女を気遣い、夕食はいつも『マカロン』で特別メニューを用意していると、輝さんはさらりと言っていたけれど、その傍らにいた史郁さんは顔を真っ赤にして口をパクパクさせていた。




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