強引なカレの甘い束縛


「本音を言えば、俺以外の男と話して欲しくないし見て欲しくもない。それに七瀬を他の男に見せたくないし。できればどっかに閉じ込めて俺だけの七瀬にしたいけど、これだけ可愛いんだから籠の中の鳥にしてしまうのはもったいから俺の七瀬だって見せびらかしたい気もするし。男心は複雑なんだよ」

「は……はあ」

陽太は歩みを止めることなく、私の耳元に淡々と言葉を落とす。

小さくため息をつき、ちっと舌打ちまで。

「とにかくだ、ようやく七瀬と恋人同士になれたんだからその幸せだけを実感させてくれよ。嫉妬や独占欲なんて面倒な感情は今はいらない。七瀬と一緒にいられる幸せに浸らせてくれよ」

「う、うん。私も、浸りたい」

「だろ。だったら他の男のことを誉めたり見たりするな」

子どものような拗ねた声でそう言った陽太を見れば、口もとをとがらせていて可愛い。

頬が赤いのは感情が昂ぶっているせいだろうか。

仕事ができて上司からの信頼も厚く、女性からの人気も高い理想の男。

今目の前にある様子からは信じられないけど。

私の気持ちを掴むには十分すぎるほど魅力的だ。

私のほんのいたずら心からの言葉が陽太の心を揺らして、私を閉じ込めておきたいとまで言って妬いてくれた。




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