強引なカレの甘い束縛


怪我をさせてしまった謝罪の意味が大きい。

きっと、父さんと母さんの代わりに私を大切にしようと頑張っているのだから、そんな姉さんの気持ちをないがしろにはできない。

私を見つめる陽太の視線を感じながら俯いていると、陽太の吐息を感じた。

「七瀬って、ほんと、わかりやすいっていうか、単純だな」

「……た、んじゅん?」

「まあ、そこもいいんだけど」

視線をあげれば、「見るな」と言って胸に押しつけられた。

弾んだ体もとりこまれ、私はすっぽりと陽太に包まれた状態になる。

「思い込みが激しい単純な七瀬が、たまらなく好きなんだ。お姉さんの七瀬への気持ちを無視するわけじゃないけど、そろそろ俺のほうも我慢が限界。ここから出て、地上におりないか?」

耳元に、聞いた覚えがある言葉が響いた。

少し前、陽太の口から聞かされたのはいつだったか、はっきりとは思い出せないけれど。

そのときよりも、いっそう想いが込められた声音に、体中が熱くなり、震えた。



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