強引なカレの甘い束縛
唯香が生まれ、姉さんは育児に忙しく、おまけに私の世話にも時間を割いていた。
忍さんだって仕事が忙しくてなかなか公香に構ってあげられずにいる。
公香にとっても、姉さんや忍さんにとっても、あんな風に三人で過ごせる時間がこれからもたくさんあればいいなと願わずにはいられない。
「七瀬は落ち着いたのか?」
姉さんたちを見送ったあと、私は陽太と手をつなぎ、お目当てのアイスを目指して歩いていた。
公園近くのアイスクリーム屋さん。半年ほど前にオープンしたそのお店は、ベルギーから取り寄せたチョコレートを使ったアイスが有名らしく、連日行列ができる人気店。
何度か食べたことがある陽太と違い、私は今日が初めてだ。
「甘すぎるチョコがやみつきになるんだよな。公香はすぐにお腹いっぱいになるからはんぶんこで食べるんだけど、七瀬はどうする?」
お店が見え、やはり今日も行列だなと陽太が苦笑している。
「私もとりあえずはんぶんこでいいかな。甘すぎるっていうのが興味深いけど」
ふふっと笑いながら、陽太に連れられて歩く。