強引なカレの甘い束縛



「おはよう。月曜から早く来てもらって悪いな」

週明け、普段よりも少し早く出社してパソコンを立ち上げていると、同期の徳井くんが声をかけてきた。

私が今日早めに出社したのも徳井くんの事務手続きを手伝うためで、その理由はとてもおめでたいものだ。

「おはよう。そして、おめでとう。和美は元気なの? 双子の出産なんてかなり体力使いそうで想像できないけど」

明るい気持ちと声で笑うと、徳井くんも顔中の筋肉を緩めたまま何度か頷いた。

「帝王切開だったから、出産のときよりも今のほうが痛みがあるって言ってる。無事に産まれてくれればそれでいいって言ってたけど、痛いものは痛いってうめいてるよ」

「そうなんだ。切ったんだもん、痛いよね。想像するしかできないけど」

「俺も、想像するだけだけど、目の前で痛い痛いって体を強張らせる姿を見てるとどれほど痛いんだって思うよ。本当に、和美には頭が上がらないな」

「そうだよ、大事にしてあげてよね、お父さん」

かたわらに立つ徳井くんの背中を軽く叩いて、私は席に着いた。



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