ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
はあぁぁ…

「…ったく!きみって人は、危なっかしい」

頭上から矢神さんの溜息と呆れたような声が落ちてくる。

「…ごめんなさい」

抱きしめられていた腕が緩み、ジッと
私の瞳をのぞき込む。

「手首…赤くなってる」

酔っぱらいにつかまれた手首の色が変わってる。




「平川さん!タクシーつかまったよ…
あ、矢神課長?」

タクシーを呼びに行った鈴村さんが戻ってきた。

「ちょうど良かった。矢神課長、平川さんを送っていただけませんか?
急きょ、会社に戻ることになってしまって…」

矢神さんの都合も聞かず、一方的に話し始める。


強引すぎる…


♪〜♪〜♪〜

「はい。鈴村です。すぐに戻ります」

架かってきた電話に出て、

タクシーはアレです…とキープしたタクシーを指差し、慌ただしく去って行った


「……」

「……」

「秘書って…大変なんだな」

ボソッと矢神さん。







< 112 / 378 >

この作品をシェア

pagetop