ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】

初めてづくし

*矢神side*

強い力で、つかまれたんだろう。

平川の手首は内出血で赤黒くなっていた

腫れるな…そう予想した俺は、湿布を買い、彼女を俺のマンションへ連れ帰り、
彼女の手首を冷やしまくった。

氷水に浸かった手が辛いのだろう。

もういい?と、目で訴えてくる彼女は面白い。計算なのか?上目遣いのその表情にドキリとする。

…ったく、こいつは分かってない。

彼女の手首を冷やさなくては…と、俺のマンションへ連れてきたものの、一通り手当てをし、落ち着いて考えると、この状況だ。

男の部屋に二人きり…

危機感とかないのか?

助けたのが俺じゃなくても、この子はついて行くのか?

嫌だ。冗談じゃない…

男に腕をつかまれた平川を見た時、腹が立った。誰も彼女に触れてほしくないと思った。

俺は、彼女のことが好きなのか?

今までに感じたことのない自分の感情に戸惑っていた。




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