ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
どうしよう…


梶浦社長のことも調べ切れてないのに、
今バレるわけにはいかない。


落ち着け…落ち着け…落ち着け!


矢神さんと離れた位置に立ち、グルグルと考える。


「アイ?…やっぱりアイだ」


うつむく私の頭上から声がかかる。


藤枝さん!


すぐに声が出なくて、藤枝さんをただ見つめてしまっていた。


ポンポン…

「どうした?疲れたのか⁇」

そう言い、私の頭をポンポンと撫でながら尋ねてくれる。


ふわり…


あっ…まただ。懐かしい匂いがする。

思わず笑みが漏れる。今日は藤枝さんの前で笑顔が作れない…と思ってたのに。

藤枝さんといると、安心するなぁ。

私は一人っ子だ。

もし、兄がいたら、こんな感じなんだろうか?






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