ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】

浮気する男

いつもどおり、定時で業務を終了した私は、イルミネーションが瞬く中庭に立っていた。

クリスマスバージョンの中庭は、幻想的な空間が出来上がっていて、想像以上だった。


「綺麗…」


ただ立ち尽くす。


『花壇の世話は梶浦社長がしてるんですよ』


ますます分からない。

こんなに素敵な空間を作り出す人が、冷酷な悪魔のような男だなんて。


やっぱり、はっきりさせよう。

そして、早くここから去ろう。


カサッ…


誰かが来た…

「こんばんわ…」

暗くてよく見えないが、取りあえず挨拶する。


「……」


聞こえなかったのかな。

…まあいい。同じ会社の人とはいえ、いろんな人がいる。

今みたいに、こちらが挨拶しても返してくれない人もいる。






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