ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
しばらく泣き続けた私は、病院に残るお母さんを残し、自宅へ帰ることになった。

お父さんの秘書だと名乗る男の人が、家まで車で送ってくれることになり、病院のロビーで待っていた。


コツ…


靴音が聞こえたので、秘書の人かと顔を上げると、そこにいたのは記者だった。


「倉本前社長のお嬢さんだね?」


無視しよう。今は誰とも話したくない。

なのに、記者は構わず続ける。


「お父さん、可哀想だね。
会社は盗られるわ、病気になるわで」


記者は、ニヤニヤと半笑いだ。

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