ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「琴子、車で送るわ。行こっ」


車のキーをつかんだ母が言った。

通学路にも記者たちがいそうで、怖かったから、ありがたかった。



カシャッ



家の車庫から車が出る時にも、シャッターが光ったような、気がした。




母は、学校の正門の前で私を降ろすと、


「琴子、帰りも迎えに来るから、帰る時間をメールで知らせてね」


「うん。ありがとう。メールするね」


私が、正門から学校の敷地内に入るまで、母は見送ってくれた。

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