ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
学校の敷地内を歩いていると、チラチラと視線を感じる。


報道のせいだろう。一年生や二年生までが、私の方をチラチラと見て何かささやき合っている。


「おはよう。琴ちゃん」


見知った顔を見つける。同じクラスで、仲良しの加奈ちゃんだ。


「おはよう。加奈ちゃん、久しぶり!」


加奈ちゃんは、父の告別式にも参列してくれた。


「琴ちゃん…」


大きな目を不安げに揺らしながら、加奈ちゃんは、両手で私の手を包んでくれる。


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