ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「…琴子、その志望校のことなんだけどね」


いつも、はっきりした話し方をする母が、言葉を発することをためらっている。


「お母さん?どうしたの?」


「………」


母の瞳が揺れている。


「………」


そして、ガバッと、私に頭を下げた。


「琴子、一緒に神戸に来てほしい」



へっ?

なぜ神戸?桜ヶ丘高校の入学試験、もうすぐだよ?


「…お母さん、どういうことなの?
私は、桜ヶ丘高校へ行けないの?」


頭を下げ続ける母に、呆然と尋ねる。









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