ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「お疲れさまです」

社内の誰かだから、取りあえず挨拶だ。

「お疲れさま…」

ん?この声!

「藤枝さん⁉︎」

藤枝さんだ。良かった…会えた。


ガシッと腕をつかまれる。


「こっち来て」


藤枝さんに腕をつかまれたまま、エレベーターホールからどんどん遠ざかる。

どこへ行くの?と聞ける雰囲気ではなく、静かについて行く。


カチャ…


一番近い第2小会議室に入り、椅子に座らされる。

電気は点けず、窓から漏れる月明かりだけが頼りだ。
藤枝さんの表情はよく見えない。


そうだ…言わなきゃ。


座らされた椅子から立ち上がり、深々と頭を下げる。


「藤枝さん、私は嘘をついています」










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