ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
藤枝さんが、こっちを見るのが気配で分かる。

「私は、木下 愛でも平川 琴子でもない…
倉本 琴子です。

一方的な誤解で、梶浦社長を恨み、
会社を潰してやろうと、ここに来ました。未遂とはいえ、許されることではありません。
申し訳ありませんでした」


薄暗い中、だんだんと目が慣れて、藤枝さんが、私の瞳をジッと見つめるのが見える


「社長から聞いたよ。それで、謎が解けた」

謎?

きょとん…と藤枝さんを見る。

「そう。謎…俺がなぜ、平川 琴子とアイに惹かれたのか。

あのね、けっこう悩んだんだぜ?

俺は平川 琴子が好きなのに、木下 愛も気になる…同時に二人を好きになるなんて、すげー気が多い男じゃん?

一人だったんだ…て、ホッとしてる」


へっ?藤枝さんが私を好き?
今、この人…サラッと言いましたよ?


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