ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
座って…と、椅子に座らされ、優しく微笑む藤枝さんと目が合う。

「それと、もう一つの謎も解けた。

『こっちゃん』…覚えてない?

小さい頃、きみが小学校入学前だ。
何度か俺たちは会ってる」


小学校入学前に?家が近所だったの?


目を閉じ考えて見るけど、思い出せない。

「ごめんなさい。思い出せない…でも、
幼い頃に、藤枝さんと私は会ってるんですね?
それで…私も謎が解けたかも」


ん?と藤枝さんがこちらを見る。
優しい目で私を見ている藤枝さんと目が合う。

「いつも不思議に思ってた。
藤枝さんといると、どこか懐かしい匂いがする。すごく安心できるなって」


そっか…と、藤枝さんが目を伏せる。


「ごめん。俺も隠してる事がある。俺の苗字…藤枝じゃない。
梶浦…『梶浦 隆洋』これが本名。
社長の息子だ。会社の事をを学ぶため、一般社員に混ざっている」















< 176 / 378 >

この作品をシェア

pagetop