ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
*矢神side*

カッ、カッ、カッ…

「いない…いるわけないか」

17時半に中庭で…俺から言ったのに、
緊急の仕事が入り、中庭に行くことが出来たのは19時を回っていた。


彼女と初めて会ったベンチに座る。



・・・・・



彼女が表情を崩した瞬間のことを思い出していた。

ガタガタ…と椅子から落ちかけ、慌てて周りを見回したその表情。

あの時が、彼女に落ちた瞬間だったと思う

ふっ…


『出し巻き玉子?食べたいですか?』

あれは美味しかった…

当時を思い出し、頬が緩む。


『彼女と抱き合ってたじゃないですか!」


ムキになって怒った彼女。


それなら誤解だ。
兄の婚約者、嶋田 春子が目にゴミが入ったようだと騒ぐから、ジッと見ていたんだ


…ったく。気付いてるのか?
それって、俺のことが好きってことだろ?

何のために、その綺麗な容姿を隠してる?俺が全部まとめて受け止めてやる。


翌日から、彼女が来なくなるとは知らず、その日、彼女に連絡しなかったんだ。



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