ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
「一度しか言わないから、よく聞いとけ

琴子。きみのことが好きだ。

ダサ眼鏡のきみが、頑張る姿も好きだし、怒って俺にパンチしたきみも好きだ。

あ…断じて、俺はMではないぞ?

綺麗に化粧して、コーヒーショップで独り言をつぶやく危ない女のきみも好きだ

バーカウンターで一人で飲んでるきみが、他の男に盗られやしないかヒヤヒヤした。

きみが、藤枝さんや鈴村さんと話してる時ですら、イライラした。

自分にこんな感情があるなんて、初めて知った。

きみが会社に来なくなった日、誰の気配もないアパートの前で泣きはらした俺は見ものだったぞ?


戻ってこい…いや、戻ってきて」


一気にしゃべった矢神さんが、ん?と私の顔をのぞき込む。

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