ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
ピンポーーン!
「あっ、きっとお母さんだ…はーい」
琴子が、パタパタと玄関へ駆けていく。
その後ろ姿を見ながら、
ふっ…
「余裕なんて…きみの前ではいつも無いよ」
毎朝、目が覚めると、すぐ隣に無防備に眠る愛しいきみがいる。
それだけで、舞い上がっている自分がいる。
華奢なその身体が壊れてしまわないよう、そっと抱き寄せまた眠りに落ちる。
美味しそうな香りが立ち込め、エプロン姿のきみが俺を起こしに来る。
幸せな、この日常がずっと続けばいい。
きみをずっとこの腕で抱きしめていたいと言ったら、きみは笑うだろうか?