ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
今年の初めに、常務に昇格したと同時に、社長の息子であることも、部長職以上の者には公表した。
公けにしないのは、俺が次期社長と分かれば、周りが気を使うから。
今のように、気さくに話しかけて来なくなったら嫌だ。仕事が楽しくなくなってしまう。
もう一つの理由は、服装だ。
四六時中、こんな堅苦しい格好をするなんて、耐えられそうにない。
それなのに、
「おっ、藤枝室長!カッコいいっすね〜」
法人企画部の松田 大樹が、わざとらしく褒めると、
「きゃっ、久しぶりにきちんとした藤枝室長を見たわ。いい男っぷりが、いつもの二割り増しですよ」
と、田中 三奈が便乗する。
「何だよ。二割り増しって……」
公けにしないのは、俺が次期社長と分かれば、周りが気を使うから。
今のように、気さくに話しかけて来なくなったら嫌だ。仕事が楽しくなくなってしまう。
もう一つの理由は、服装だ。
四六時中、こんな堅苦しい格好をするなんて、耐えられそうにない。
それなのに、
「おっ、藤枝室長!カッコいいっすね〜」
法人企画部の松田 大樹が、わざとらしく褒めると、
「きゃっ、久しぶりにきちんとした藤枝室長を見たわ。いい男っぷりが、いつもの二割り増しですよ」
と、田中 三奈が便乗する。
「何だよ。二割り増しって……」