ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
足下に、ヒーターが差し入れられてから、古村さんも私も、寒さから来る震えが止まった。

「鈴村さんも、会場への案内等でお忙しかったのに、私たちのことまで気にかけてくださって、感動しました」

古村さんが、両手を前で組んで、尊敬の念を込めた目で鈴村さんを見つめる。


「いやぁ、感動してくれてるとこ悪いけど、君たちが凍えてることに気付いたの、俺じゃないんだ」


バツが悪そうに、うつむく鈴村秘書。


「…えっ?鈴村秘書が差し入れてくれましたよね?」


「あー、ヒーターを届けたのは俺だけど、気付いたのは藤枝室長でね、『早く持って行ってやれ』て、叱られたんですよ」




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