ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
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久しぶりに、二人の仕事が早く終わり、部屋で晩ごはんを食べた。
一緒に住み始めて最初のうちは、料理人である拓海に、何を作ったらいいんだろう…と心配したけど、
「万里さんが作る家庭料理が、食べたいんだ」
と言い、何を作っても褒めてくれる。
汚れ物を拓海と一緒に洗う。
こうして、並んで洗い物をしてるだけで幸せだなって思う。
「ねえ、万里さん。今週末から一週間くらい、大阪の2号店へ行くことになった」
片付けが終わり、二人並んでお茶を飲んでる時に、突然、拓海が言う。
「あっ、大阪にもお店出すんだったね。
…一週間か。長いね…」
「万里さん不足で、おかしくなりそう」
そう言って、ぎゅうぅ…と私を抱きしめた。