ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
拓海が出発する日、東京駅まで一緒に行く。

入場券を買って、新幹線のホームのベンチに腰掛け、新大阪方面行きの新幹線が来るのを待った。


コツ…

「拓海くん?…あ、やっぱり拓海くんだ。おはよう」


振り返ると、肩まである髪を、ふんわりとカールさせた可愛らしい女の子が立っていた。


「晴香?おはよう」

「荷物…少ないね。それで一週間分なの?」

「晴香の荷物が多すぎなんだよ。長期滞在みたいじゃねぇか…」


拓海…大阪行きって、一人じゃなかったんだ。


『晴香』……て、随分と親しいんだね。


これから一週間、拓海はあの女の子と行動を共にする。拓海と離れて暮らすだけでも寂しいのに、不安な気持ちがムクムクと湧いてきた。

< 285 / 378 >

この作品をシェア

pagetop