ひみつの琴子さん【修正 & side story完結】
今朝まで拓海が着ていたスウェットを抱きしめると、拓海の香りがした。

食事をする気も起きず、拓海の枕に顔を埋め眠る。

目を閉じると、パアァと顔を明るくし『万里さん!』と駆け寄ってくる拓海の姿が浮かんだ。

毎朝、私のために朝食を作ってくれた拓海。

ラグビーボール型の綺麗なオムレツは、中にチーズが入っていたり、ベーコンや玉ねぎが混ぜてあったり、いろんなバリエーションを作ってくれた。

スープも、いろんな種類を作ってくれた。

中でも、オニオンスープは絶品で、何度もせがんでつくってもらったっけ…


「餌付けされてるな…私」


一人ぼっちの部屋で、独り言が多くなる。
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